イングランドサッカー協会(FA)が、ジャンニ・インファンティーノ氏のFIFA会長再選への支持を撤回する方針を決めた。ワールドカップなどへの民間資本導入構想はすでに撤回されたが、英国では騒動が終わるどころか、会長の統治責任を問う動きへ発展している。ウェールズも支持を取り消し、欧州サッカー連盟(UEFA)は法的措置を検討。さらに反対派からはFIFAへの「非協力」や独自大会構想まで浮上した。構想撤回後も混乱が収束しない背景と、英国サッカー界を含めた欧州が、ここまで強硬姿勢を示す理由を整理したい。
英国では、インファンティーノ会長への不信が具体的な行動へと移った。FAは6月末に送った再選支持の書簡を撤回する方針を決定。ウェールズサッカー協会は「ガバナンスや意思決定、リーダーシップの失敗」を理由に、加盟211協会で初めて支持撤回を正式表明した。スコットランドサッカー協会も、会長への信頼を失ったとするUEFAの立場と足並みをそろえている。
さらにUEFAは、法的措置や仲裁、規制当局への申し立てを検討し、FIFAに対してメールやメッセージ、会議記録などFFE(FIFA Forward Enterprise)構想に関する資料を保存するようFIFAに求めた。反対派の一部は、独自の国際大会創設も検討しているという。
英国側が問題視しているのは、少数の関係者だけで計画が進められ、FIFA理事や幹部にも十分共有されなかった意思決定のあり方だ。支持撤回には、来年3月の会長選を前にインファンティーノ氏を孤立させ、辞任や再選阻止につなげたい思惑があるとみられる。ただ、現時点で動きは欧州が中心で、今後、他地域へ反対の動きが広がるかも注目される。