7月28日に発生した令和8年熊本地震を受け、被災した中小企業への資金繰り支援が本格化している。国は災害復旧貸付やセーフティネット保証4号を用意し、金融機関には返済猶予など柔軟な対応を要請した。だが、工場や店舗が止まれば、売上だけでなく雇用や取引先にも影響が広がる。重要なのは、融資で当面をしのぐだけでなく、地域の産業基盤をどう早く確実に再び立て直すかである。それには、支援人材の拡充も不可欠だ。
中小企業庁は7月29日、令和8年熊本地震で被害を受けた中小企業・小規模事業者への支援措置を公表した。特別相談窓口を設け、災害復旧貸付、セーフティネット保証4号、既往債務の返済条件緩和、小規模企業共済の災害時貸付を実施する。
さらに7月31日には、金融庁、財務省などと連携し、金融機関に資金繰り支援を要請した。8月4日には、熊本県内の被災事業者向けに、中小企業省力化投資補助金の申請期限を8月14日まで延長した。
こうした支援は必要だが、融資中心では返済負担が残る。被災企業は設備損傷、休業、物流停滞に加え、取引先の操業停止による受注減にも直面する。部品、食品、観光など地域内で取引が連鎖する産業は、一社の停止が周辺企業へ波及しやすい。
行政と金融機関は、融資に加え、補助金、税・社会保険料の猶予、代替工場や共同物流の確保を組み合わせる必要がある。支援の成否は、被災企業が相談でき、再開まで伴走支援を受けられるかで決まる。
「コロナ禍では補助金や支援制度が国から次々と示されたが、対応する支援人材の人件費補助がなく、人員不足に陥った」と自治体の幹部職員は振り返る。政府には、制度に加え、現場の執行体制まで見渡した支援が求められる。