広島の爆心地500メートルからの生還 遺品の手記が伝える父の戦争への怒りと核廃絶への道#戦争の記憶

1945年8月6日、世界で初めて広島に投下された原爆は、同年末までに推計約14万人の命を奪った。「死亡率ほぼ100%」とされる爆心地から半径500メートル以内で生き残った一人が、樫野(かしの)三郎さんだ。軍隊に召集されて広島市に赴任しており、原爆投下時は広島城近くの兵舎にいて奇跡的に生き残ったが、その体験は2007年に95歳で亡くなるまで家族にほぼ語らなかった。死後、長女の澤田睦美(むつみ)さん(89)(岐阜市)が見つけた手記を頼りに、三郎さんが「近距離被爆」からいかに生還したかをたどる。