田久保眞紀・前伊東市長を巡る刑事裁判が異例の展開を迎えています。市民団体が19日、「偽造卒業証書」の提出を拒む弁護人を「一線を越えた」として証拠隠滅の容疑で東京地検に刑事告発したからです。一方、田久保氏の刑事裁判では、24日の公判前整理手続で弁護人が田久保氏による証書偽造を否定。警察が田久保氏のパソコンから「偽造データ」を復元したとの報道も飛び出し、事態は複雑化しています。年内にも開かれる初公判に向け、裁判の焦点について解説します。

新たに「偽造卒業証書」データの存在が明らかになりました。警察が田久保氏のパソコンを解析し、消去データの復元に成功したといいます。田久保氏が印鑑業者に東洋大学の学長印などを注文、入手したとされる事実とともに、極めて重要な客観証拠です。

これにより、検察側は偽造された学長印や証書を入手できなくても、偽造印や偽造文書の形状などを裁判で明らかにすることが可能となります。「卒業したと思い込んでいた」という田久保氏の弁解の信用性も大きく揺らぎます。

この事態を受け、田久保氏側は学長印の注文や証書の作成への関与そのものを全面的に否認する方針です。そうすると、誰が、何の目的で学長印を注文し証書を偽造したのか、また、田久保氏は誰からその証書を受け取ったのかが問題となります。これらについて、説得力のある主張や反論を示すことができるかが裁判の最大の焦点です。

すでに大学側の記録で卒業していないと確定している以上、弁護士事務所で保管しているという「卒業証書」なる文書を弁護人が自ら提出するかどうかも注目されます。押収拒絶権の濫用だとして市民団体が弁護人を刑事告発しており、弁護人に対する捜査の動きからも目が離せません。