イラン戦争で米軍基地がミサイルやドローン攻撃にさらされたことを受け、その教訓がアジア太平洋にも波及している。米陸軍は10月、グアムにパトリオットなどを装備する新たな防空部隊を発足させ、ミサイル防衛を強化する。中国や北朝鮮が弾道・巡航ミサイル、極超音速兵器、ドローンを強化する中、専門家からは沖縄など西太平洋の米軍基地は依然として攻撃への備えが不十分だとの警告が出ている。
米軍準機関紙「星条旗新聞」が25日報じた。米戦略国際問題研究所(CSIS)のセス・ジョーンズ氏は、イラン戦争前の中東の米軍基地は防御が不十分だったとし、太平洋の基地も同様だと警告する。
とりわけパトリオットや高高度迎撃ミサイルシステム「THAAD」が不足している。在日米軍は沖縄にパトリオット4個中隊を配備するが、中国と北朝鮮は弾道・巡航ミサイルや極超音速兵器、ドローンを強化している。
米国はグアムで巡航・弾道・極超音速ミサイルに対処する19億ドル(約3000億円)規模の防空・ミサイル防衛システムを開発中だ。さらにパトリオットや対ドローン装備を含む総額80億ドル(約1兆2700億円)規模の「グアム防衛システム」を整備している。日本と極超音速兵器に対処する迎撃ミサイルを共同開発し、2030年代の完成を目指す。
ジョーンズ氏は迎撃能力に加え、航空機用の強化シェルターや地下施設、障壁、部隊の分散、偽装といった「受動的防御」も不可欠とする。一方、ミサイルやドローンは甚大な被害を与えても、相手を屈服させる決定的な兵器ではないと指摘する専門家もいる。イラン戦争は、西太平洋の米軍基地の防衛体制にも重い課題を突き付けている。