9月13日投開票の沖縄県知事選(27日告示)を目前に控えた25日、立候補を表明していた下地幹郎元衆院議員が不出馬を表明しました。自民党と4項目の政策協定を結んだことが理由で、現職の玉城デニー知事と自民などが推薦する新人・古謝玄太氏の事実上の一騎打ちという構図が固まりました。前回2022年に約5万4千票を得た下地氏の撤退は、保守票の分散を恐れていた自民に追い風となる一方、「取引」との印象が広がる懸念も指摘されています。高市首相が「政権基盤を占う」と位置付けた選挙の情勢を各社の報道から読み解きます。

下地氏の撤退が古謝陣営にプラスに働くことは間違いありませんが、「5万4千票がそのまま上乗せされる」と考えるのは早計です。2022年の知事選では、自民推薦の佐喜真氏と下地氏の得票を単純に合算しても玉城氏には届きませんでした。しかも下地氏の支持層は宮古島を地盤とする個人後援会や、既成政党への不満を持つ無党派層が中心で、自民が号令をかけて動く票ではありません。焦点は、下地氏本人が古謝氏の応援にどこまで汗をかくかという一点に絞られます。

告示2日前という撤退のタイミングは、後援会長が「自民側から打診」と証言した通り、党本部主導で詰めた結果でしょう。ただ、政策協定を交換条件とする候補者調整は、有権者から「取引」と受け止められるリスクと隣り合わせです。古謝陣営の関係者からその懸念が漏れているのは、陣営自身が弱点を自覚している証左です。

玉城陣営にとっては、辺野古が争点から後退した分、経済や貧困対策で保守側と同じ土俵に立たされる苦しさがあります。高市首相が「政権基盤を占う」と公言した以上、自民は総力戦を仕掛けてきます。9月13日の結果は、秋の臨時国会と内閣改造を控えた政権の求心力に直結する指標となるでしょう。