SNSで「皇居ラン、禁止でいいのでは」という投稿が話題になるなど、東京・千代田区の皇居周辺を走る「皇居ラン」をめぐる議論が熱くなっている。皇居周辺はランナーの〝メッカ〟として知られ、1日に延べ1万人が走ることもあるという。同時に、国内外から多くの観光客が訪れ、歩行者も多い。ランナーとの接触に恐怖を感じるという声がある一方で、皇居ランに肯定的な意見もあり、SNSでは賛否が分かれている。ランナーと歩行者が共存するためには、何が必要なのだろうか。

 皇居は1周約5kmでアクセスが良く、周辺には着替えやシャワーを利用できる施設もたくさんある。コースは適度なアップダウンがあり、平日夜は仕事帰り、休日は遠方から訪れるランナーもいる。日本で最もメジャーなランニングコースだ。

 それだけに、皇居周辺では「歩行者優先」「反時計回り」「無理な追い越し禁止」「タイムよりゆとり」などのマナーが呼びかけられている。平日の夜や休日の昼間はランナーだけでなく、歩行者や自転車も多く、道幅が狭い場所もある。特に問題になるのが、集団走やスピードを上げて走るランナーだ。個人でスピード練習をする場合も、混雑する時間帯を避けるなどの配慮が必要だろう。

 皇居はランナー専用コースではない。だからといって、ランニングそのものを禁止するのではなく、まずはランナーが「歩行者優先」を徹底することが重要だと考える。「江戸しぐさ」として知られるもののなかに、「傘かしげ」という行為がある。雨の日にすれ違う際、お互いが相手を気遣い、傘の滴で濡らさないように傘を外側へ傾けるというものだ。ランナーと歩行者も対立するのではなく、お互いに少しずつ気遣うことで、皇居周辺が素晴らしい場所であり続けることを期待したい。