ハウス食品グループ本社が、「カレーハウスCoCo壱番屋」を運営する壱番屋の売却を検討していることが明らかになった。
両社は1974年から原材料の取引を続け、1998年に資本関係を結んだ。2015年にはハウス食品が壱番屋を連結子会社化しており、親子会社関係は約11年に及ぶ。売却が実現すれば、約28年間続いた資本関係に区切りが付く。
ただ、壱番屋は業績不振に陥っているわけではない。それでもハウス食品は、なぜ優良子会社を手放すのか。背景には、親子上場の解消と資本効率を重視する経営への転換があると考えられる。
今回の売却検討の根底には、ハウス食品の経営課題であるROIC(投下資本利益率)やPBRの改善がある。壱番屋の保有株式時価は現在700億円を超え、高値で売却できれば資金を成長領域へ再配分できる。親子上場の見直し圧力も判断を後押ししたと考えられる。
ただ、壱番屋の業績は不振ではない。2026年2月期の売上高は前期比7.4%増の655億円と過去最高を更新した。原材料費や人件費の上昇で営業利益は4.3%減の47億円となったものの、国内外の店舗数は1503店。海外でも北米やアジアで約220店を展開しており、成長余地は大きい。優良子会社だからこそ、高く売れる資産だ。
買収の受け皿として現実的なのが投資ファンドだ。ハウス食品の保有分だけでも時価は700億円を超え、国内の外食企業が単独で引き受けるには負担が大きい。ファンドが上場を維持するほか、非上場化して成長投資を加速させる展開も考えられる。
一方、ファンドにとって壱番屋は、強固なブランドと安定収益に加え、海外出店や「大黒屋」「麺屋たけ井」など買収ブランドの多店舗化も見込める魅力的な案件だ。今後は、海外事業や買収ブランドの成長をどう引き出すかが焦点となる。