日本の10年金利が節目の3%を突破しました。節目水準を跨いだことを殊さらに強調するのは慎重でありたいのですが、ここで長期金利上昇の背景を整理します。①海外金利の上昇、②日銀の利上げ観測の高まり、③財政政策に対する反応、これら3つの要素に大別することができます。

①海外金利は米国のみならずドイツなどでも上昇しています。米国の10年金利は4.8%近傍で23年に付けた4.99%の更新もあり得る状況になっています。

②は特に重要です。現在の金利から逆算すると3~4ヶ月に一度の利上げが今後2年程度続くことが織り込まれています。経済構造がデフレ型からインフレ型に切り替わった現状、長期金利が上昇するのは自明の理とも言えます。デフレ下の超低金利という異常な世界に長くいたことで、インフレ 下で金利のある正常な世界への回帰を「異常」であると捉えてしまう側面があるように思えます。

③は27年度予算の概算要求額が143兆円になると報じられました。もっとも当初予算が膨らむことは予め想定されており、また規模感は事前予想対比で必ずしも大きくはありません。高市政権では、ここ数年常態化しつつあった10~20兆円規模の補正予算を止め、緊急性の高い対象に絞ることが明確化されています。その分だけ当初予算が膨らんだものと理解でき、事実、前年度当初予算と補正予算との合計でみれば、純増分は大きくありません。補正予算が本当に縮小するかは判然としませんが、金利上昇の「主因」が財政政策であるかは議論の余地があります。