今期話題作のひとつである『Tシャツが乾くまで』(TBS系)が最終回を迎えた。

初回からクセの強いドラマだったが、終始一貫していたのは、登場人物の会話の言葉の選び方や、独特な間の置き方、細かなリアクションなどにおいて、いまの時代の最先端のシャレている様を押さえ、時代の空気がにじんでいたこと。

本作は、視聴者にそのストーリー展開と俳優の芝居を楽しませる技術に長けたテクニカルな作品だ。脚本家をはじめ演出、プロデューサーの感性をベースに、緻密な計算があることがうかがえる。

会話劇が物語の中心に据えられるなか、前述の要素に加えて、ときに漫才のボケとツッコミのようなテンポ感があり、心に刺さる尖った言葉も埋め込まれる。予測不能な意表を突くストーリー展開とともに、視聴者を大いに楽しませ話題になった。

そんな時代の最先端を押さえる会話劇のスタイルは、昭和のトレンディドラマと共通する。かつてのそれは、主に東京のおしゃれなライフスタイルをベースに若者たちの恋愛を描いたが、本作はミドル世代のさまざまな事情と生き方から、家族や周囲との関係性と愛情の多様なあり方を映し出した。

本作の離婚への道を描くラストは対照的であり、時代による視点や設定の違いはあるものの、作品そのもののカラーや空気感として令和のトレンディドラマと呼べる作品性を感じた。

一部には、初回の本格サスペンス展開から不倫ドラマ路線への転調に、最初の期待値が高かったぶん鼻白んだ視聴者もいたようだが、総じて高評価だったようだ。本作スタッフによる次作が期待される。