世界ランキング1位、2位による4連戦は、南アフリカが3勝1敗で勝ち越し、ラグビーズ・グレイティスト・ライバルリー・ツアーが幕を閉じた。
4試合を総括すると、両チームの対照的な戦術が表れた興味深いシリーズだった。2019年から主力メンバーが比較的固定され、平均年齢が高まっている南アフリカに対し、NZは若い選手を積極的に起用し、チームの若返りを進めている点も対照的だった。
ネーションズチャンピオンシップのスタッツにも両チームの違いが表れている。キック数とランメーターを比較すると、南アフリカ(以下南ア)とNZは両極に位置する。南アがキックによる「縦」のボール移動を多く使うのに対し、NZはパスとランによって「横」にボールを運ぶ。最終戦では南アがハイボールを9回中5回再獲得し、約56%と高い獲得率だった。
4連戦を通して改めて証明されたのが、南アの圧倒的なフィジカルだ。最終戦でもスクラムでペナルティを獲得し、モールやダイレクトプレーで前進した。エッジへの展開やムゴメズルのキックも効果的だった。
対するNZは中盤から積極的にパスとランで前進。ミドルフィールドからエッジ、さらに逆サイドへとレンジを広げ、ディフェンスに的を絞らせなかった。素早く前に出る南アに対し、狭く浅いアタックラインからエッジへ運ぶ構造も対策の一つだったと考えられる。NZが得意とするキックカウンターなど、アンストラクチャーからのトライが少なかったのは、南アの対策もあったのだろう。
結果的には南アのフィジカルとコリジョンがシリーズを制した。来年のW杯、この強さを各国がどう攻略するのか。残された1年で生まれる戦術に注目したい。