俳優・川口春奈さんとサッカー日本代表主将・板倉滉さんが2日に結婚と第1子妊娠を発表しました。川口さんのインスタグラムに連名の直筆コメントが投稿されました。人気俳優とトップアスリートのビッグカップルだけに衝撃が広がりましたが、先月の時点で交際や結婚報道が一部で出ていたケースでもありました。スクープ時にはざわつきや詮索が広がり、本人発表の後に祝福が訪れる。伝える主体によって、受け手の感情が変わる。無論これまでもあったことですが、今はその差がより一層大きくなっていると感じます。
元日紙面には必ず芸能スクープを入れる。スポーツ紙にとっての大命題でもありました。自社の取材力を示し購読につなげる。スクープは商品価値を上げる勲章でした。読者にもスクープをサプライズ的に楽しむ感覚がありました。
今は元日スクープが出ても「すごい」ではなく「放っておいてやれ」が主流。SNSの文言や情報番組のコメンテーターの言葉が変化を示しています。芸能スクープが勲章から下世話の烙印になっている。是非はともかく、この流れが確実に進んでいます。
SNSが定着し誰もが発信できる世の中になりました。芸能人も自分の言葉で語ることが当たり前になった中、他者が事実を伝えると“横取り感”が強く生じる。それが「本人の口から聞きたかった」「なぜ先に出すのか」といったコメントにつながっています。
芸能という分野だと輪郭がぼやけてしまう部分もあるものの、本来スクープはメディアとしての足腰の強さを示す重要な要素です。ただ、祝福ムードが本人の言葉が届いた後にだけ訪れるのも今の時代。
元日スクープは減り、普段取材を受けない大物の特別インタビュー記事などに変わっている。この事実同様、川口春奈さんの結婚発表も今の潮流を色濃く示すものだと感じます。