ロシアでは、連邦議会の国家院(下院)の選挙投票が、20日に締め切られた。21日に発表された暫定結果によると、プーチン与党「統一ロシア」が過去最多となる議席を獲得した。同党は、小選​挙区の結果も含めて定数450議席のうち355議席となり、8割の議席を獲得したと見られる。他党の支持なしに法案可決や憲法改正の発⁠議が可能となる憲法上の多数派を維持する形となった。

最初から与党が圧勝するシナリオだっただけに、選挙結果自体に驚きはない。

それでも、この選挙が、大きな「節目」として機能することもまた、間違いない。プーチン政権としても、国民の不満を招くような政策を選挙前に打ち出すわけには行かなかった。これから、そうした痛みを伴う措置が、雪崩を打って出てくるかもしれない。

何と言っても、最大の注目点は、ウクライナの戦線で激しい損耗に見舞われているロシアが、追加動員に踏み切るかという点だ。これに関しては、ゼレンスキー・ウクライナ大統領が8月、ロシアで年内に30万人の動員が打ち出される可能性があると警告していた。

筆者自身は、大混乱を引き起こした2022年9月のトラウマもあり、プーチンもそう簡単には追加動員に踏み切れないと見ている。ただし、地方部などを中心に目立たない形でじわじわと招集を拡大する「サイレント動員」なら考えられるかもしれないと認識している。

一つ確実なのは、10月に光熱費などの公共料金が引き上げられることだ。これは、本来7月に実施すべきだったものを、選挙をにらみ先送りしていたものである。企業、国民にとっては厳しい秋、冬になりそうだ。