9月27日、トヨタアリーナ東京でのWBC世界バンタム級タイトルマッチで那須川天心(帝拳)は王者・井上拓真(大橋)に判定負け、リベンジを果たせず瞳に涙を浮かべてリングを下りた。7ラウンドに左ストレートでダウンを奪うも、トータルポイントで劣った形だ。
試合後はインタビュースペースではなく、自らの控室にメディアを呼び込んで会見。そこで複雑な胸中を吐露した。
那須川天心、格闘技人生の岐路に…井上拓真に痛恨連敗「負けた気してない。ボクシングで負けた。ポイントゲームで負けた」
井上拓真、那須川天心との再戦に勝利しベルト防衛 3度目の対戦については「これで最後です」
「(試合終了直後は)自分の中では『やったぞ』って感じだった。いまは何が何だか分からない。これだけやっても無理かという思いです。ダウンも取ったし、自分の中では負けた気がしていない。ボクシングで負けたというか、ポイントゲームで負けた」
具体的な言葉にはしなかったが、ジャッジに対する不満、いや「ボクシングの採点はこうなるのか」という戸惑いがあるように感じられた。
ラウンド採点ではなくトータルマストならば、勝者は那須川だろう。だがボクシングは、そうではない。互いにダメージを与えることができなかったイーブンラウンドであっても「10-10」ではなく「10-9」をつけるのが現行システム。つまり、ラウンドを僅差で制する技術で井上が上回った試合だった。
会見では明言を避けたが当然、現役続行だ。年末か来年初頭の再起戦を経て、その先で4団体いずれかのベルトを目指すことになる。「ボクサーとしての成長」は今回の試合で証明された。
再来年以降の話になろうが、那須川が世界チャンピオンの座に辿り着けたなら王座統一戦として「井上拓真vs.那須川天心3」実現の可能性は残る。