広島が1日、小園海斗、矢野雅哉、前川誠太、田村俊介の4選手と来季契約を結ばないことを発表した。矢野、前川は指定薬物エトミデートを巡る問題で書類送検されたと報じられている一方、小園、田村については一部週刊誌報道などに名前が出た段階とされる。実力面だけを見れば、小園は昨季首位打者、今春WBC代表にも選ばれた選手である。だが、移籍市場で評価されるのは成績だけではない。契約上の権利、球団のコンプライアンス、そして選手の今後をどう考えるべきか。

今回の戦力外は、いわゆる通常の戦力整理とは受け止めにくい。広島球団は4選手と来季契約を結ばない判断をした。球団には契約を更新しない権利はある。一方で、選手にも次のプレー機会を求める権利がある。問題は、その間にある「信頼」をどう見るかである。

矢野、前川については書類送検が報じられている。一方、小園、田村については報道上の位置づけが異なる。ここを同列に断罪することは避けなければならない。特に小園は昨季の首位打者で、今春のWBCにも選ばれた。田村も将来性を評価されてきた若い打者である。実力だけなら、獲得を検討したい球団があっても何ら不思議ではない。

ただし、とある球界関係者は一般論と前置きし「11球団、二の足を踏むでしょう。各々の判断にはなると思うが、事実関係がはっきりしたとしても、難しい判断にはなる。アスリートと薬物というのは、あまりにも印象が悪すぎるからね」と語った。

これは移籍市場の本音だろう。獲得する側は、戦力としての価値だけでなく、事案の事実関係、球団内外への説明、スポンサーやファンの受け止め方までを背負うことになる。

将来のある若者の人生。NPBの秩序。本当のプライオリティはどこにあるのか、議論が必要だ。