昨年5月、愛知県一宮市で発生した妊婦死亡事故。お腹の中で事故に遭い緊急の帝王切開で生まれた研谷日七未ちゃんは今も意識不明のままですが、ご家族の愛情と手厚いケアを受け1歳の誕生日を迎えました。
本件は交通事故における「胎児」の扱いについて社会に大きな問いを投げかけました。民法では胎児の損害賠償請求が認められる一方、刑法では母体の一部とされ「人」と認められないからです。
その切実な訴えを筆者が初めて記事にしてから1年、ご家族による熱心な活動は全国の地方議会や国会を着実に動かしてきました。経緯を振り返ります。
『私たちは妊娠9か月だった娘を失い、緊急帝王切開で生まれた孫は事故によって重い障害を負いました。しかし現行法では、胎児は「被害者」として扱われず、深い悲しみと不公平感を抱えています』
大きな悲しみの中、それでも「2人の被害を無駄にしたくない」と立ち上がったご家族の訴えは、今、地方議会をはじめ、国会にも大きなうねりを起こしています。
今年3月、愛知県議会が「胎児が交通事故などで被害に遭った際の処罰規定の在り方を議論するよう国に求める意見書」を全会一致で議決。4月には和田政宗衆議院議員が法務委員会で本件を取り上げ、法務大臣の答弁を引き出しました。その後も複数の国会議員が現行法の不整合を指摘し、現在立法府主導での議論が進行中です。
地方議会ではすでに3都府県、2市町村が「意見書」を議決し、6都府県が9月議会での可決を予定。ご家族は「年内に47都道府県のうち3分の1での可決を目指します」と決意を語っておられます。
さらに、法務省宛ての『胎児が交通事故等で被害を受けた場合の法整備を早急に進めるよう求める署名活動』(https://c.org/rrbcL9QR86)も展開中で、今も多くの賛同の声が寄せられています。