高市首相が5月に植田日銀総裁と会談した際、長期金利の上昇を抑えるため、必要に応じて国債を買い入れるよう求めていたことが4日、分かったと時事通信が伝えた。
日銀が国債の買い入れ額を減らしていることに対して「市場安定のための適切な対応」を求め、必要な場合には国債を買い入れるよう要請したともある。
日銀は確かに必要な場合には国債を買い入れるとしているが、これは非常時対応であり、積極的な経済政策に呼応すべく対応するようなものでは決してない。
日銀は2026年6月の金融政策決定会合で中間評価を行い、2024年8月から進めてきた国債買入れの減額計画について2027年3月で減額を停止し、同年4月以降は月間2兆円程度の買入れへ移行することを決定した。
高市首相と植田総裁はその前の5月22日に首相官邸で会談した。この際に日銀が国債の買い入れ額を減らしていることに対し「市場安定のための適切な対応」を求め、必要な場合には国債を買い入れるよう要請した。
インフレ下において日銀が国債買入を増加した場合にどうなるのか。
2013年4月以降の壮大な社会実験によって中央銀行が国債などを大量に買い入れても物価は容易に上がらないことは示された。
だから日銀が国債買入を増額してもインフレを加速させることはないかもしれない。しかし、財政や国債への信認低下となる懸念は強まる。
いわゆる財政ファイナンスやマネタイゼーションへの懸念である。
すでに40年国債の利回りが4%を超え、10年国債の利回りが3%近くに上昇しているなかにあり、しかも国力低下による円安もあり、このタイミングでの日銀の国債買入を市場では財政ファイナンスやマネタイゼーションと認識して売りたたく懸念は強まろう。