政府は備蓄米の買い戻しについて、8月末に判明する2026年産米の作柄を見極めた上で判断する方針を示した。一方、6月末の民間在庫は243万トンと過去最大となり、来年にはさらに増える可能性も指摘されている。島根県の丸山達也知事は「日本中の農家が落胆している」と国の対応を厳しく批判した。食料安全保障のためにも備蓄米の回復は欠かせないが、今回問われているのは買い戻しの是非ではなく、そのタイミングである。価格形成が始まる前に市場へどのようなメッセージを送るべきだったのかが、今後のコメ政策の大きな課題となっている。

備蓄米の買い戻しは、米価を高く維持するためではなく、政府備蓄を適正水準へ戻すと同時に急激な価格変動を和らげるための政策である。しかし、その効果は実施時期によって大きく変わる。8月中下旬は、JAが新米の集荷の仮払い金である概算金を決める重要な時期であり、それまでに政府が買い戻しのを時期を表明すれば、市場や関係者へ一定の安心感を与えられた可能性がある。一方、8月末以降の判断では価格形成が進み、政策効果は限定的になりかねない。
昨年の備蓄米大量放出と主食用米の増産によって、在庫は243万トンまで膨らみ、倉庫不足や価格下落への懸念も広がっている。短期的には備蓄米の着実な買い戻しと需給安定策を進めることが必要だが、それと同時に、需給変化に迅速に対応できる政策運営へ転換することも不可欠である。