『VIVANT』第2シーズンで描かれた“空爆”を思わせる映像が波紋を呼んでいる。イスラエルに潜伏している警視庁公安部の野崎守が会食する場面で、窓の外の夜空に赤い爆発が映し出された。これがイスラエル軍によるガザ空爆を連想させるものだとして、SNSで批判の声が相次いでいる。劇中でもガザ情勢について明確に言及されていることから、現実のガザへの空爆を思い浮かべた視聴者がいたのは無理もない。
もっとも、あの爆発が「イスラエル軍によるガザ空爆」を直接描いたものだと断定することはできない。物語の中では、今のところそれがどういう意味を持つのかは明かされていない。
ただ、一般論として言えば、現在進行形で多数の犠牲者が出ている紛争や人道危機を、サスペンスドラマの緊張感や異国情緒を高めるための「背景」として軽々しく消費してよいのか、という問題はある。もちろん、国際諜報をテーマにしている『VIVANT』であれば、現実の国際政治や紛争と接続することには作品上の必然性もある。しかし、実際に今も民間人が命を落としているような出来事を扱うのであれば、それが単なる刺激的な映像になっていないかという慎重さは必要になる。
重要なのは、この場面が最終的に物語の中でどのような意味を与えられるかである。現実のガザ情勢を単なるスリリングな舞台装置の1つとして利用するだけなのか、それとも国際政治の複雑さや暴力の現実まで作品のテーマとして引き受けることになるのか。『VIVANT』が今後、現実に進行している紛争や人道危機をどのような距離感で扱っていくのか、引き続き注視する必要があるだろう。