勤務していた小学校の教室で教え子の女児にわいせつな行為をしたり、その様子を撮影したりしたとして、不同意わいせつなどの罪に問われた元教諭の男(40)に対する判決が話題です。被害者が9歳から12歳まで34人に上り、犯行期間も約2年半と長期に及ぶのに、広島地裁の量刑が懲役9年にとどまったからです。ネット上では「軽すぎる」という批判の声も上がっています。なぜこうした量刑に至ったのか、米国との対比も踏まえて解説します。

男は検温などと偽って無人の教室に女児を連れ込み、手で目を覆うといった手口で3人の舌などに自らの性器を当て、3人の胸を触ったといいます。胸を露出させて撮影したり、着替え中の様子を盗撮したりした女児も合わせると、被害者が34人にも上る卑劣かつ悪質な事件です。

ただ、日本の刑法では、たとえ複数の不同意わいせつに及んでも、併合罪と呼ばれる規定により、当時の法定刑である懲役10年の1.5倍の懲役15年が上限です。しかも、裁判所の裁量が大きく、現に今回も懲役13年という検察側の求刑すら大きく下回る量刑となっています。反省し、専門機関で治療を受けるとか、被害弁償金を支払っているといった裁判所が挙げる事情を踏まえても、あまりに軽すぎる判決と評価せざるを得ません。

米国では、成立する犯罪ごとに刑を決めて合算するし、特に重大犯罪だと一定の基準を下回る量刑は許されないとか、児童への性虐待1件だけで拘禁刑25年に処するといった特別法を制定している州もあります。例えば、児童4人に対する性的暴行に問われた男には、275年半の拘禁刑が言い渡されています。性犯罪を厳罰化するためには、端的に法定刑を引き上げる法改正が不可欠です。