『くら寿司』が20日、商品価格の見直しを発表しました。9月4日より最低価格を115円から110円に値下げする一方で、これまで最低価格の115円(最低価格は店舗により異なる)で提供していた「サーモン」や「ゆず塩かつおたたき」など33品目については120円へ改定します。

 回転寿司業界では『スシロー』や『はま寿司』が、今年に入って相次いで値上げをしていますが、なぜくら寿司はあえて価格を下げるのでしょうか。回転寿司の価格設計は今後どうなっていくのでしょうか。

 原材料価格や円安、エネルギーコストが上昇する中、今回の『くら寿司』の値下げは、他チェーンが値上げしている中で異例にも映ります。しかしこれは単純な「値下げ」ではなく、商品構成を組み替えることで価格競争力を高める狙いがあります。

 子どもに人気の商品などは値下げし、さらに人気ネタを組み合わせた「相盛り」を110円で投入する一方で、サーモンなど33品目は120円に引き上げます。つまり、全体を安くするのではなく、まず「最低価格」という最も目立つ数字を下げることで、節約志向が根強い消費環境下でも「くら寿司は安い」という来店動機を作り出し、原材料高で上がった分は高単価ネタや新登場の相盛り商品、都心部の高めの価格帯店舗で回収するという戦略です。

 回転寿司では、価格の分かりやすさが来店動機に直結します。物価高で外食の節約志向が強まるなか、110円という分かりやすい価格を前面に出すことは、ファミリー層を取り込むうえでも有効でしょう。

 今後は各チェーンが一律値上げではなく、最低価格のエントリーメニューと高付加価値メニューを使い分ける傾向が一段と強まりそうです。くら寿司の今回の価格改定は、その変化を象徴する動きと言えそうです。