8月19日にロシアで、プーチン大統領の主宰により、「戦略発展・ナショナルプロジェクト評議会」の会合が開催された。

この会議は、プーチン政権が掲げる2030年までの「国家的目標」を再確認し、「ナショナルプロジェクト」という枠組みでそれに取り組んでいることをアピールするような場であった。ロシアを長期的な発展に導くプーチン体制という物語の重要な舞台装置である。

しかし、今年の会合は、国家的目標に向けて邁進するプーチン体制というよりは、それを阻む制約を列挙し、その中でどう舵取りしていくかを議論する色彩が濃くなった。

以前の会議であれば、「これだけの建設作業が完成した」「更なる取り組みを」といった議論に終始していた。ところが今回は、「2030年までにこんなロシアを造る」という目標よりも、「戦争によって生じた制約をどう処理するか」という話が圧倒的に増えている。

プーチン自身、多くのメガプロジェクトは主要投資段階を終え、そのため投資全体の伸びが鈍化しており、今度は新たな投資サイクルを始めなければならないといったことを述べている。

プーチンはまた、特別軍事作戦終了後に前線から多数の兵士が帰還するので、彼らを就職させなければならず、事前に準備する必要がある重大な仕事だとも述べている。

このように、プーチンが、経済を取り巻く制約に言及したり、復員兵の就職について論じたりしているのを見ると、ついに彼も継戦能力が尽きつつあることを悟り、「戦後」を見据え始めたのだろうかと考えたくなる。しかし、今回の会議の様子からして、プーチンが今すぐにウクライナ侵攻を手仕舞いしようとしていると考えるのは、早計であろう。

むしろ、戦争によって中断・変形された長期発展戦略を、戦後も含めた新しい現実に合わせて組み直し始めたと捉えるのが正しいのではないか。