先週初め、フランスとサウジアラビアがパリ近郊に「ドラゴンボールZ」のテーマパークを建設するとロイターが報じたことで、母国である日本でも大きなニュースとなりました。
しかし、その後フランス紙ル・モンドが、この計画を進めるサウジの政府系企業キディヤ・インベストメント・カンパニーは、日本の権利者からまだ許諾を得ていないと報道。エリゼ宮もイル=ド=フランス地域圏(建設予定地を管轄)も東映アニメの欧州法人も、25日時点ではコメントしていないとのことです。
いったい、どうなっているのか。ここまでの状況を整理しておきます。
Emmanuel Macron(@EmmanuelMacron)
マクロン大統領が述べたのは「漫画への関心」「3つのテーマパーク」だけで、『ドラゴンボール』(以下「DB」)には言及していません。その後、仏政府が『DBZ』に“着想を得た”漫画テーマパークとして発信。それを受けてロイターが「DBZテーマパークプロジェクトで合意」と報じた、という時系列です。つまり、もともと付けられていた「着想」という留保が消えています。
さらにル・モンドは、事業主体のキディヤがDB関連の権利を許諾できる5社の同意を得ていないと報道。この記事が事実であれば、なぜロイターは「DBZテーマパークプロジェクトで合意」と断定的に伝えたのでしょう。
おそらく理由の1つは、キディヤが実際にサウジで世界初となるDBテーマパークの建設を公式発表しているためでしょう。この発表はDB公式サイトにも掲載され、バードスタジオや集英社、東映アニメの©も入っています。
仮にDB関連の権利者から許諾を得る前であれば、“着想を得た”と但し書きを付けているにせよ、仏政府の発信は勇み足にも思えます。鳥山明さんの訃報に際して日本語で追悼したマクロン大統領だけに、フランス側には「一刻も早く言いたい」という熱意が先行したのかもしれません。