駅の周辺や同じ商業施設の中にいくつも「スターバックス」を見かけることがないでしょうか。私が住む街の駅周辺には徒歩圏内にスタバが5店舗あり、商業施設内にも2店舗あります。新宿エリアでは30店舗ほどの店舗が集中出店しており、国内有数のドミナント戦略地域として知られていますが、超過密出店でありながら、どの店舗も入れないほどの人気です。

 なぜスターバックスは超過密ともいえる出店を続けるのでしょうか。そしてなぜどの店も人気を集めているのでしょうか。スタバの「超ドミナント戦略」の背景と今後の展望について考察します。

 スターバックスの「超ドミナント戦略」は、単なる売り上げの積み上げが目的ではなく、同じエリアに複数の店舗を配置することで顧客との接点を増やし、エリアそのものを「スタバ生活圏」に変えていくことです。

 一般的に同一ブランドの店舗を近接させると、客の奪い合いが起きると考えられています。しかし、スタバの場合は駅直結の商業施設、路面店、銀行併設店、公園近くなど、立地ごとに役割が異なっています。また、ティー専門店やラウンジ型など業態にも変化をつけることで、さまざまな客層にアプローチして、異なる利用目的を上手に取り込んでいます。

 さらにこの戦略には競合他社より先に好立地を押さえ、出店余地を狭める意味もあります。特に駅前や商業施設など、集客力の高い場所は限られているため、先行して店舗網を築くことで他社の出店を阻止するのです。また同一エリアに店舗を集中させることで、商品の配送やスタッフの配置、店舗管理などの効率化も可能です。販促活動もエリア単位で展開しやすいメリットがあります。

 今後は店舗数の単純拡大から、立地・業態・客層を細かく使い分ける「超ドミナント戦略」をさらに進化させ、地域ごとの需要を深掘りする展開が進みそうです。