大韓サッカー協会(KFA)は9月1日、スペイン人指揮官のロベルト・モレノ氏(48)を暫定監督に選任した。代表監督では初めて公募方式を採用し、契約は11月27日まで。まず国際Aマッチ6試合を指揮し、評価次第では2027年1月のアジアカップまで延長される。W杯敗退に加え、協会運営を巡る問題で信頼を失った韓国サッカーは、なぜモレノ氏に再建を託したのか。

 今回の人選には協会側の事情もにじむ。会長不在で改革の行方が定まらず、正規監督を決めにくい。前監督選任への批判を受け、初の公募で公正性を示す必要もあった。
 モレノ氏はルイス・エンリケ氏の「右腕」としてバルセロナとスペイン代表で戦術分析を担った。スペイン代表では、エンリケ氏の家庭事情による離脱を受け、代行から正式監督に就任。通算9試合で7勝2分けと無敗を維持し、EURO2020出場へ導いた。相手分析と複数の戦術を用意できる点は短期決戦に向く。
 フランス1部モナコ(19~20年)、スペイン1部グラナダ(21~22年)では契約満了前に退任。ロシア1部ソチでは2部降格後、翌季に1部復帰へ導いたが25年9月に退任した。長期のチームづくりには疑問が残り、6試合は双方にとって“オーディション”となる。
 短期間で色を浸透させるのは難しく、勝敗だけでなく方向性を示せるかを見るべきだ。結果が伴わなければ失望が世論に広がり、協会への反発も強まりかねない。協会は「モレノ監督の熱意には非常に感銘を受けた」と期待を寄せる。6試合で見切らず、改善が見えるならアジアカップまで任せ、大会後に正規就任を判断する方が現実的ではないか。