ドル円は9月1日に160円台前半でした。それが9月8日12時時点では152円台まで円高が進んでいます。値動きから判断して日米当局による為替介入ではなさそうです。円高の背景は、①米国の利上げ観測に大きな変化がないなかで、②日銀の利上げ観測が高まったこと、であると説明できそうです。
米国の金融政策を巡っては、9月FOMCにおける利上げ確率が五分五分の状態にあります。関税と原油高によって2%の物価目標を上振れて物価が推移しているため、FRBが利上げに踏み切るとの見方があります。一方、賃金上昇率や家賃などの上昇率が鈍化しているので、利上げは見送られるとの見方もあります。筆者は後者の可能性が高いとみています。そうなれば米金利が低下し、ドル安主導で円高になる可能性が高いと判断されます。
日本側の要因に目を向けると、もはや9月会合における利上げは確実な情勢です。8月中下旬に円安が進むなか、米財務長官のベセント氏が日銀に利上げを促すような発言をしたことなどから、そうした見方が支配的になりました。そこに、日銀の9名いる政策委員の中で最もタカ派的(利上げに積極的)であるとされる高田委員が利上げペースの加速に前向きな発言を示したことで、日銀の利上げ観測が一段と高まりました。今や年内2回の利上げが共通認識になりつつあります。金利から逆算した市場参加者の年内利上げ織り込み回数は1.8回を超えています。
最近は日米の政策金利差が一段と縮小するとの見通しのもとで、円を買ってドルを売る動きが強まっている印象です。