宇都宮市の宝くじ売り場で売れ残り、銀行に回収されたジャンボ宝くじの中に、1等・前後賞合わせて10億円分の当せん券が含まれていたとして話題となっています。では、この当せん金は誰のものになるのでしょうか。意外と知らない宝くじを巡る法的な仕組みについて解説します。
宝くじの仕組みを定めた「当せん金付証票法」により、当せん金を受け取ることができるのは原則として当せん券を実際に購入した人か、その人から贈与を受けたり、相続したりした人に限られます。販売店や銀行が売れ残った券を保管していても、肝心の「購入者」がいない以上、当せん金を受け取ることができる法的な権利者は存在しません。
では、その当せん分のお金はどうなるのでしょうか。実は、売れ残った宝くじは抽せん前に回収されて未発行扱いとなるため、「販売実績」に含まれません。当せん金は売上総額の一定割合(約47%)から支払われる仕組みなので、売れ残りが出ると全体の売上自体が減り、支払われる当せん金の総額や自治体の収益金も比例して減ることになります。
したがって、売れ残りから当せん番号が出たからといって自治体の収益金が増えるわけではなく、単に「当せん金の支払い対象が存在しなかった」という結果だけが残ることになります。
一度購入されたものの期限内に換金されなかった「時効当せん金」については、後日自治体に納められ、公共事業などに活用されます。しかし、売れ残りの場合は当せん金が支払われることも、時効当せん金になることもありません。