「ミスタードーナツ」が、2019年の撤退から7年ぶりに中国へ再進出しました。上海に1号店を開き、2029年までに30店舗を展開する計画です。

中国では、スシローやサイゼリヤが店舗網を広げる一方、くら寿司やモスバーガーなどは撤退。丸亀製麺やワタミのように、一度撤退した後、別ブランドや異なる運営方式で戻る企業もあります。

成功と失敗を分けるものは、商品の魅力だけではありません。競争の激しい中国へ、なぜ日本の外食企業は再び向かうのでしょうか。中国市場の変化から、ミスタードーナツの勝算を考えます。

中国は人口が多く、日本食への関心も強いため、店舗網を築ければ大きな成長を期待できます。実際、スシローは中国本土で100店舗に到達し、サイゼリヤも約400店舗を展開しています。

一方、撤退した企業も少なくありません。ミスタードーナツ、モスバーガー、丸亀製麺、はなまるうどん、くら寿司も中国から撤退しています。コロナ前は家賃や人件費の上昇、現地化の不足、物流などを効率化できなかったことが主な要因でした。コロナ禍には営業制限が重なり、現在は消費低迷と現地チェーンによる低価格競争が壁になっています。

それでも再進出するのは、失敗の原因を修正できれば、市場の成長余地があるからです。モスバーガーと大戸屋は現地企業との連携を強め、ワタミとトリドールHDは別ブランドで戻りました。

ミスタードーナツも今回は、現地企業に運営を任せるマスターフランチャイズ方式を採用します。パートナーの経営者は、中国の商習慣や規制に通じ、日本食レストランの運営実績も持ちます。前回より成功の可能性は高まったでしょう。ただ、ドーナツや飲料の競争は激しく、30店舗を定着させられるかは、現地向けの商品と価格をどこまで作り込めるかにかかっています。