イオンモール熊本で7月28日に発生した地震後の爆発事故では、7人が死亡したことが明らかになっている。

亡くなったのは、いずれもモール内のテナント(専門店)の従業員だった。

テナント会社「ハビタ」では、売上金を金庫へ移すため館内に戻るよう幹部が指示し、従業員2人が死亡したことが明らかになり、批判を浴びている。

アパレル大手オンワードでも従業員3人の死亡が確認されている。

一方、約3000人の来訪客は全員避難し、イオンの正規従業員(直接雇用)の死者は確認されていない。

企業の危機管理において、「平時(日常の平和な状態)」と「有事(非常事態が起きている状態)の対応があるが、それぞれで求められる対応が全く異なる。

平時においては、通常の業務を遂行すること、会社の売り上げ、利益を担保することが最優先とされる。

一方で、非常時においては、人々の心身の安全を確保すること、特に人命を守ることが最優先される。

これは危機管理における「常識」と言っても良いが、有事への経験が乏しい組織では、非常時においても、通常状態の優先順位のままに行動してしまうことも多々ある。また、責任感が強い人ほど、そのように行動してしまう傾向も見られる。

重要なのは、有事の時は、組織、あるいは組織トップが適切な指示を出し、迅速に任務を遂行することだが、平和な日本でビジネスを行ってきた多くの企業の多くは、それができない。

しかし、いざ自分が当事者になった際に、危機が発生した際に、冷静に判断し、適切に行動できるだろうか? あるいは、部下に正しく指示を出したりできるのだろうか? 自分自身に問い直してみることも重要であると思う。