米トランプ大統領は9月26日、ホルムズ開放と米軍の海上封鎖解除などをセットにしたイランの提案を拒否すると明らかにした。そのうえで「イランが困窮して提案をしてきた」と述べ、交渉は続けるが中間選挙後に必要に応じて攻撃を再開するとも示唆した。

これについて英キングス・カレッジのアンドレア・クレイグ准教授は「“交渉に時間をかけた方が米国にとって有利”とトランプは考えている」と分析したうえで、この考え方を「ギャンブル」と評した。

交渉に時間をかければ、情勢が劇的に変化しないまま中間選挙に突入する公算が大きいからだ。

トランプ大統領「この取引は受け入れられない」 ホルムズ海峡の開放に向けたイランの提案を拒否

NATO防衛大学のリチャード・ウェイツ研究員はアルジャズィーラの取材に「少し待てばよりよい取引ができるとトランプは考えているようだ」と述べた。

イランが困窮していると判断するなら、そこには一定の合理性がある。ベッセント財務長官は26日、「経済的Dデイ」と呼ばれる経済制裁の成果を強調した。

とはいえイランの困窮の程度は専門家でも評価が割れている。たとえば民主主義防衛財団のセス・フランツマン氏はエルサレム・ポストで、今イランがホルムズ再開などを提案した理由を「選挙直前の米国に揺さぶりをかけて交渉を有利にするため」と論評し、「困窮したため」というトランプの説明を暗に否定した。

またサウジアラビアなどの原油輸出の回復も、トランプ政権の強気の材料かもしれない。ただし中東全体の原油輸出はいまだに開戦前の水準に至らず、仮に国際価格が多少回復しても末端ガソリン価格に反映されるには時間がかかる。

米ウォール・ストリート・ジャーナルによると、トランプは21日、フランスのマクロン大統領との非公式会談で共和党勝利に楽観的な見方を示した。根拠はともかく中間選挙の勝利に自信があるなら、戦争長期化はトランプにとってギャンブルではないのだろう。