高市早苗首相が打ち出した食料品の消費税率を1%に引き下げる方針をめぐり、自民党内の対立が表面化しています。8月3日の税制調査会などの合同会議では減税方針が事実上了承された一方、古川禎久幹事長代理が反対の意見書を提出し、小渕優子氏も公然と異を唱えるなど、亀裂は決定的になりつつあります。7月に内閣支持率が急落した直後だけに、この党内対立が政権の求心力に与える影響は無視できません。ここでは減税をめぐる党内の賛否と世論の動向を伝える記事をピックアップし、解説します。
今回の党内対立で注目すべきは、賛成65人・反対9人という「数」そのものよりも、反対の「質」です。税調副会長による意見書の提出、小渕氏のインナー辞任と公然たる反対表明は、党内手続きへの異議申し立てであり、単なる政策論争を超えた統治スタイルへの不満の表れと読むべきでしょう。2月の衆院選で自民党は消費減税の「検討を加速する」と公約しており、推進派には「約束を守る党」という有権者へのメッセージを打ち出す狙いがあります。一方の慎重派は「財源なき減税は将来世代へのツケ」と訴え、財政規律を重視する支持層への配慮を示しています。
問題は時間軸です。2027年4月開始の減税は2年間の時限措置であり、2028年夏に想定される参院選は減税の恩恵が実感される時期と重なる一方、「本当に2年で税率を戻せるのか」という出口の問題が争点化することは避けられません。7月の世論調査で支持率が急落した高市政権にとって、減税は反転攻勢の切り札ですが、党内の亀裂を放置すれば選挙の顔としての遠心力に転じかねません。5日の総務会と閣議決定後も、火種はくすぶり続けるとみています。