名古屋の中心部、栄エリアが活気づいています。地上41階建て「ザ・ランドマーク名古屋栄」が竣工し、6月には同ビル内にラグジュアリーモール「HAERA(ハエラ)」と「TOHOシネマズ」が、7月末には高級ホテル「コンラッド名古屋」がオープン。来春には松坂屋名古屋店南館の大規模リニューアルも予定されています。2000年代以降、名古屋一の商業エリアの座は栄から名古屋駅に移っていましたが、ここに来て栄が猛烈な巻き返しを図っています。その背景には何があるのか?そして、この勢いをかって栄復権となるのでしょうか?
栄の再開発ラッシュの背景には規制緩和があります。かつては景観を守るのを理由に高層ビルが建てられなかったところ、2010年代以降段階的に改定され、大規模な再開発が可能となりました。2024年開業の約160mの中日ビル、約212mのランドマーク名古屋栄はこの改定があって実現したものです。富裕層向けのホテルやハイブランドを集めたモールなど、インバウンドをはじめ外から人を呼び込む動きが目を引きますが、もともと栄は地元の人が集まってにぎわいを生んできた場所。およそ20年ぶりにこのエリアに映画館ができたのはその役割を強化する好材料ですし、広場空間で盛んなイベントの活気も名古屋駅がまだまだ栄に追いつけない要素です。HAERAをはじめ栄の商業施設の多くを運営するJ.フロントリテイリングによる「面で栄エリアを活性化する」というコメントはこのエリアの特性を熟知したものと感じます。リニアの工事の遅れに端を発する名古屋駅再開発の停滞が栄の躍進をいっそう印象づけていますが、この機に乗じて名古屋駅から街の主役の座を奪還する、というのではなく、あくまで街本来の機能を根底に置いた栄らしい街の活性化を進め、両雄並び立つ未来像を期待します。