広島は81回目の「8月6日」を迎えました。原爆の投下後に救出のため広島市内へ行った私の祖父、原爆の爆風でガラスが割れた体験した女学校卒の祖母、いずれも鬼籍に入ったように、原爆の惨禍を直接体験し、語り継げる人の数は減っています。

 しかし、ロシアとウクライナの戦争、米国・イスラエルとイランの戦争、そして北朝鮮……人類はいまだに核の危険と隣り合わせです。

 私たちの多くは、原爆を体験・目撃していませんが、考えることはできます。原爆に関連するマンガを紹介しながら、改めて考えてみます。

 原爆投下後の描写を克明に描き、その威力と恐ろしさを多くの人々に伝えた「はだしのゲン」。その価値は、時代を経るごとに重みを増しています。

 多くのマンガ賞を受賞した「夕凪の街 桜の国」は、100ページ強ながらも、原爆が落ちた後の世界を通して、原爆の影響力の強さを伝えています。

 「いしぶみ」は、原爆の犠牲となった中学生321人の記録をもとにした作品群です。1969年にテレビ番組、1970年に書籍化されています。昨年の被爆80年の節目にマンガ化され、日本漫画家協会賞大賞<萬画部門>を受賞しました。

 「ヒロシマを生きた少女の話」は、作者の祖母の体験を描き、漫画投稿サイト「ジャンプルーキー!」での発表当時は話題になりました。今もウェブで読むことができます。

 どの作品も読み終えた後は、死者の無念、生者の戸惑いなどが伝わり、読む人の心を揺さぶります。同時に現代の日本では戦争のないことがいかに幸福かも痛感するでしょう。少しの時間だけでも約80年前に思いをはせ、核の恐怖を忘れないことも、必要ではないのでしょうか。

 私も、亡き祖父が生前中に語っていた、焼け野原になった広島の惨状を思い浮かべながら、考えてみたいと思います。