令和8年熊本地震の直後、SNS上では被災者を装い、QRコードなどを使って個人への送金を求める投稿が確認されました。被災者を支援したいという善意につけ込む手口です。
2024年の能登半島地震でも、被災者になりすましてSNSで寄付を募り、金銭をだまし取ったとして男子高校生が書類送検されています。
QRコードやSNS、生成AIは、生活を便利にする一方、災害に便乗した詐欺のハードルも下げています。SNSで注目を集め、AIで被災状況を説明する文章や画像を作り、QRコードから個人間送金へ誘導する。この組み合わせによって、詐欺に必要な準備から金銭の受け取りまでを、短時間で行えるようになりました。
さらに、AIで作られた文章や画像は自然になり、見た目だけで真偽を判断することは難しくなっています。画像の不自然な部分を探すより、誰が情報を発信しているのか、自治体や報道機関による裏付けがあるのか、送金先が正規の団体なのかを確認するほうが確実です。
災害時には真偽を確かめる余裕がなく、緊急性の高い投稿ほど拡散されやすくなります。個人のQRコードへ送金する前に、投稿者の身元や寄付先が確認できるかを立ち止まって確かめる必要があります。
ただし、巧妙な投稿を利用者だけで見破ることには限界があります。SNS事業者には偽の救助要請や募金投稿を早期に検出する仕組みが、決済事業者には不正が疑われる送金先を止める対応が求められます。新しい技術が詐欺に使われる速度に、安全対策が追いつけるかどうかも問われています。