漫画アプリ「comico」が、来年1月のサービス終了を発表しました。スマホ向けのタテ読み・フルカラー漫画を普及させた主要サービスの1つであり、『ReLIFE』『ナルどマ』などテレビアニメ化作品も輩出しただけに、時代の1つの区切りを感じさせます。

今回とくに注目されるのが、購入済み作品の一部が「めちゃコミック」へ引き継がれる予定であることです。電子書籍や漫画アプリの終了時には、購入した作品を継続して読めなくなる例も少なくなかったためです。

では逆に、電子作品を「買う」とは、一体何を意味するのでしょうか。

電子作品の購入で利用者が取得するのは、サービス事業者の規約に基づく「アクセス権」です。

サービス終了後の処遇も、事業者ごとの対応に左右されます。すぐに読めなくなる代わりに購入金額相当のポイントを付与する、他サービスに本棚を引き継ぐ、アプリが利用できる限り閲覧可能にするなど、様々な選択肢があります。そして「一切の補償なく閲覧不能」もあり得ます。

電子書籍ではなく動画ですが、それを実際に行おうとしたのがソニーです。同社は2023年、PlayStation Storeで購入済みのDiscovery作品を12月31日から視聴不能にすると通知し、その時点で返金などの救済策を示していませんでした。

この対応は、米国向け規約にある「動画の提供状況は予告なく変わり得る」「視聴不能となっても返金やクレジットを受けられない場合がある」と整合します。しかし、強い批判を受け、ソニーはDiscoveryとの契約を更新し、「少なくとも30カ月」はアクセスを維持する方針へ転換しました。

こうした実態は、「購入」という言葉から受けるイメージとは大きくかけ離れています。消費者保護に向けた制度や業界ルールの整備を議論する必要があるのかもしれません。