トランプ政権は不法移民対策の成果を強調するが、支持者以外の評価は低下しつつある。
8月12日に発表されたエコノミストとYouGovの共同世論調査で「不法移民は全員即時国外退去させるべき」は共和党員の46%、MAGA(トランプ支持者)の53%にのぼったが、全米平均では24%にとどまった。
その一方「全員滞在を許可すべき」は6%にすぎず、最多は「深刻な犯罪に関わった者のみ国外退去にすべきでそれ以外は滞在させる」の41%だった。
トランプは移民を失業の元凶と名指しし、国外退去を推し進めてきた。米国政府の発表を集計した英ガーディアンによると、昨年1月から今年6月までに米国を国外退去にされた移民は約59万人で、今後さらに増加するとみられる。
一方、労働統計局によると昨年1月以来米国の失業率は4.0%~4.5%を推移していて大きな変化はない。
つまり多くの移民が国外退去にされても、米国人の雇用環境はほとんど改善していない。もともと移民の多くは介護、建設、農業など米国人が忌避しやすい分野で就労してきたからで、こうした業種ではむしろ人手不足も表面化している。
たとえば介護では、全米屈指の会計事務所KPMG USのチーフエコノミスト、ダイアン・スウォンク氏は米誌フォーチュンに、この分野の就業者の28%が移民であり、米国人による穴埋めは困難と警告した。
そのうえで移民の国外退去に加えてトランプ政権の保健サービス削減もあり、離職して家族を自分で世話せざるを得ない米国人も増えているが、その場合は求職者でないため失業率に反映されないとも指摘する。
当初から予期された人手不足が現実化し始め、国民への悪影響も広がるなか、移民排除への支持が萎むのは不思議ではない。