阪神・佐藤輝明内野手の打球が、極端な守備位置に阻まれる場面が目立っている。MLBでは2023年から内野シフトに制限が設けられ、NPBでも2026年度の野球規則改正で、4人の内野手を二塁ベースの両側に2人ずつ置く条文が整えられた。しかし、日本では同規定の内野手の守備位置について、左右2人ずつの配置さえ守れば内野手が芝生エリアまで深く下がって守ることも可能なため、実質的に「浅い外野フライ」や「強いライナー」をキャッチする網を張ることが可能。いわゆる“独自解釈”を含めた分かりにくいルールの現状を整理したい。
佐藤輝明のような左の強打者に対して、守備側が右方向へ寄るのは当然の戦術である。打球傾向を分析し最もアウトを取りやすい場所に野手を置く。これはデータ野球の基本であり、守る側の工夫でもある。
ただし、問題はファンにとって現在のルールが極めて分かりにくいことだ。NPBの2026年度規則改正では、投球時に4人の内野手を二塁ベースの両側に2人ずつ置くという米国式の条文が明記された。これだけを読めば、日本でもシフト制限が始まったように見える。
ところが、2024年改正で加えられた日本独自の注釈には、内野手の守備位置については日本では適用しないという趣旨の文言がある。2026年の改正通知に、その注釈を削除する記載がない以上、少なくとも公表資料上は「条文はあるが、日本では適用外」という状態に見えてしまう。
これは競技運営としては判断が難しく少々、不親切ではないかとも感じる。現場がどう運用しているのか、ファンがどう理解すればいいのか。シフトを認めるなら認める、制限するなら制限する。その基準を明確に示す必要がある。佐藤輝の打球がシフトに阻まれたかどうか以上に、問われているのはNPBによる明確な判断基準の設定、説明責任だろう。