「洋麺屋五右衛門」の出店が加速している。2025年には西川越、北本、東越谷、巣鴨、練馬など首都圏を中心に相次いで新店を開業。2026年に入ってからも、新宿小田急エース、イオンモールむさし村山、新越谷ヴァリエ、ラゾーナ川崎、海老名マルイなどへの出店が続いている。
1976年に東京・渋谷で誕生した五右衛門は、今年で50周年を迎えた老舗パスタチェーンだ。なぜ今、これほど出店を増やしているのか。背景を探ると、運営会社、商業施設、そして消費者、それぞれの事情が重なっていることが見えてくる。
まず運営する日本レストランシステムにとって、五右衛門は成長を期待できるブランドになっている。2026年2月期の売上高は181億円と、前期比14.4%増。既存店も好調に推移しており、2026年2月にはフランチャイズ展開も再開した。好調なブランドへの出店投資を強めやすい環境が整っている。
一方、商業施設側にもメリットがある。近年の新店ではイオンモール、駅ビル、ラゾーナ川崎、海老名マルイなど商業施設への出店が目立つ。五右衛門は一定の客単価が期待できる一方、ファミリーだけでなく、女性同士や夫婦、一人客など幅広い層が利用する。商業施設にとって、安定した売上を期待できる専門店は魅力的なテナントとなる。
そして消費者側の変化もある。外食各社の値上げが続き、ファミリーレストランなどでも一人1000円を超える食事が珍しくなくなった。もともと価格帯がやや高かった五右衛門との価格差は相対的に縮まり、専門店を選ぶハードルも下がっている。
運営会社は店舗を増やしたい。商業施設は集客と売上が期待できる店を入れたい。そして消費者にも選ぶ理由がある。この三者のニーズが重なったことが、50周年を迎えた五右衛門の出店を後押ししている。