米メディアによるとトランプ大統領の娘婿クシュナー氏が8月16日、ガザの武装組織ハマスの代表団とエジプトで会談した。米国はハマスをテロ組織に指定しているため、これまでの交渉は仲介国を通じた間接協議がほとんどで、直接協議は異例だ。

この場でハマス最高指導者アルハヤ氏は「トランプ政権のおかげでガザの人道状況が改善した」と謝意を示し、改めて武装解除を約束したという。

中東情勢に詳しい研究者、アデル・シャディード氏はこの直接協議を「米国にとってハマスが“問題”であるよりむしろ“解決策”になった」ことの現れと指摘する。

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クシュナーとハマスの直接協議には仲介国のエジプト、カタールの関係者の他、トランプの肝いりで昨年発足したガザ平和評議会のムラデノフ事務局長も同席したという。その翌日クシュナーはイスラエルを訪問した。

イラン戦争が暗礁に乗り上げるなかトランプ政権はガザ和平で「成果」をアピールしたいが、イスラエルがその最大の障害になっているからだ。ハマスは7月末、平和評議会と武装解除に合意したが、イスラエルはこれを拒否した。

一つの争点は武装解除の内容だ。イスラエルはハマスなどが保有する武器を全てガザから撤去することを要求するが、ハマスはパレスチナ外への持ち出しを拒否する。

米中間選挙が行われる11月にはパレスチナでも議会選挙があり、ハマスも政党として立候補すると表明している。ハマスがパレスチナの統治機関に食い込めば、形式的に手放した武器を実際には管理できる。

それでも7月末の合意で平和評議会はハマスの望む「パレスチナによる武器の管理」で合意した。和平案を一刻も早く実施したい米国は、ハマスと利害が一致したといえる。

ただしそれがイスラエルを暴発させるリスクもあり、和平の行方は楽観できない。