秋の味覚「サンマ」の価格が高騰しそうです。水産研究・教育機構が行った調査では、サンマの資源量は2025年より6割減の42.9万トンと予想しており、2003年に調査を開始して以来、最も少ない予想となっています。札幌市内の鮮魚店では初物が1匹4000円で売られ、スーパーなどに出回り始めた初物のサンマの価格も、1匹500円超になっています。

 不漁とも予測されている、今年のサンマの価格はどうなるのでしょうか。私たちは秋の味覚を気軽に楽しむことができるのでしょうか。サンマ高騰の背景と今後の展望について考えます。

 今年の資源量が少ない理由として考えられるのが海洋環境の変化です。近年は海水温の上昇や海流の変化によって、サンマが好む水温帯や餌となる生物の分布が変化し、回遊ルートにも影響を与えており、サンマの漁場は日本近海から沖合へ移る傾向が続いています。

 サンマの分布が日本近海から沖合に偏れば漁船が出向いても獲りにくくなり、漁場が遠くなると燃料費などのコストも増加します。海水温の変化はサンマが獲れないという問題にとどまらず、資源量や漁場、さらには価格まで左右する大きな要因になっているのです。

 現在は初物ということもあり、高値となっているサンマの価格ですが、漁が本格化すれば下がって落ち着いてくるでしょう。しかし水産研究・教育機構の予想のように、資源量そのものが低水準であれば、漁が本格化しても大幅な値下がりは期待できません。9~10月にどの程度まとまった漁獲が得られるかが、今年の価格を左右するポイントになりそうです。

 海水温や海流の変化が続けば、漁場の遠隔化や資源量の低迷が一時的な現象ではなくなる可能性もあり、サンマの高値が常態化する可能性もあります。今後は価格だけでなく、海の環境の変化にも目を向ける必要がありそうです。