世界的な前衛芸術家・草間彌生さんが8月14日、97歳で亡くなりました。
水玉やカボチャなど、現代美術に残した功績は広く知られていますが、草間さんはファッションとも60年以上にわたり深く関わってきました。
1960年代のニューヨークでは服そのものを表現媒体として扱い、その後はユニクロ、ワコール、X-girl/XLARGE、G-SHOCK、PORTER、そしてルイ・ヴィトンまで、価格帯もカテゴリーも異なる数多くのブランドと協業してきました。
世界が認める前衛芸術家・草間彌生の知らざれる波乱万丈人生/映画『草間彌生∞INFINITY』予告編
草間彌生さんの功績は、現代美術のみならずファッション史においても極めて大きなものでした。
その本質は単なるブランドとのコラボにとどまらず、1960年代のニューヨーク時代から服や身体を表現媒体とした点にあります。肌を見せる穴あきドレスや複数人で一着を着る服を制作してショーを開催するなど、性や社会規範、反戦といったカウンターカルチャーと結びついた前衛的な表現を展開しました。
この姿勢は時代を経て多様な領域へ波及しました。2009年のユニクロによる1,500円のTシャツで身近な日常着へ広がると、ワコールの下着、ストリートブランド、G-SHOCKやPORTERにまで展開。さらに2012年と2023年のルイ・ヴィトンとの協業では、ほぼ全カテゴリーに自身の「水玉」や「反復」の世界観を拡張し、世界に大きな衝撃を与えました。
1,500円の日常着から最高峰のラグジュアリーまで、価格帯や世代を超えても一目で「草間彌生」と分かる強靭な世界観を保ち続けました。服そのものを表現の場と捉え、アートを美術館から日常の衣服や街へと解放し続けた60年以上の偉大な功績に深い敬意を表し、心よりご冥福をお祈りいたします。