「若者は家を買わなくなった」と言われる一方、20代以下が世帯主の2人以上世帯の持ち家率は40.7%と過去最高に。住宅価格や金利が上昇するなか、「待つほど買えなくなる」と考え、若いうちに住宅を購入する動きが見られます。

その一方で、「3畳」「9平方メートル」といった狭小物件や、風呂なしなどの“必要最低限”の住まいを選ぶ若者も。家を買う若者と、あえて住まいのスペックを削る若者。一見正反対に見える2つの選択から、若者の「住まい」に対する新しい価値観が見えてきます。

Z世代・若年層の住まい選びで重要なのは、「持ち家か賃貸か」という二択ではありません。

狭小物件や風呂なし物件を選ぶのは、広さや設備の優先順位を下げ、家賃や立地、自由に使えるお金を確保する選択とも捉えられます。都心では3畳ほどの物件も注目され「無駄なものは持たない」という価値観が背景にあります。

一方、住宅を購入する若者も、「マイホームが欲しい」だけではありません。全宅連の調査では、不動産を「買い時」と考える人は20.8%。その理由(複数回答)で最も多いのは「今後、住宅ローンの金利が上昇しそうだから」で44.4%です。

つまり共通するのは、「何を持つか」より「何にお金を使うか」を自分で決める姿勢です。

「狭くても都心に住む」「設備を削って家賃を抑える」「将来を見据えて家を買う」。一見正反対でも、根底には、自分のライフスタイルに合わせてお金の使い方を最適化する合理性があります。

効率化したいのは何でも省くためではなく、自分が大切にするものにより多くの時間やお金を使うためです。

若者の「持たない」価値観は所有の否定ではなく、“何を持つか”を自分の価値観で選び直し、自分らしい暮らしをつくっているということではないでしょうか。