サンマルクホールディングス(HD)が、うどん店「つるとんたん」を128億円で買収する方針だと報じられた。

意外なのは、つるとんたんが不振ブランドではないことだ。今年6月には東京ソラマチに新店を開業したばかりで、国内外で高い知名度を持つ。

では、「つるとんたん」を運営するカトープレジャーグループ(KPG)は、なぜ成長を続けてきた看板ブランドを手放すのか。そして、サンマルクHDはなぜ100億円超を投じるのか。両社の現在地を見ると、このM&Aの狙いが見えてくる。

KPGは1962年創業のレジャー企業で、ホテル・旅館や「ふふ」など幅広い事業を展開している。今回の売却は、不振事業の整理ではない。KPGは「つるとんたん」について現在の店舗数を最適な規模と考えていた一方、サンマルクHDならブランドのポテンシャルを引き出し、さらに大きく成長させられると判断した。128億円という高値で事業を譲渡し、自社は1000億円企業を目指して、ホテル・リゾートを含む総合レジャー事業の拡大を進める。

一方、サンマルクHDはいま明確に攻めへ転じている。2024年には「京都勝牛」「牛かつもと村」を買収し、2026年3月期の売上高は884億円と過去最高を更新した。中期経営計画でもM&Aを成長戦略に据え、和の専門業態によるインバウンド需要の獲得と海外展開を進めている。既存のサンマルクカフェでも出店を再び加速させるなど、グループ全体で成長投資を強めている。

国内では資さんうどんの全国展開など、うどん業態への注目も高まる。「つるとんたん」は高付加価値化に成功し、海外にも展開するブランドだ。

牛カツの次は、うどん。128億円の買収は、サンマルクHDが「日本食」を武器に国内外で成長を加速させる一手といえそうだ。