かつて600万部以上だった集英社のマンガ誌「週刊少年ジャンプ」の印刷証明付き発行部数(4~6月平均)が、100万部を割り込んだと話題になっています。このニュースは、時代の変化を象徴する出来事であり、インパクトは抜群ですが、一方で集英社の近年の業績は好調で、今後も伸びると予想されています。なぜこのようなギャップがあるのでしょうか。参考になる記事を紹介しながら考えてみます。

 これまで多くのニュースで報じられているように、紙媒体の減少は今にはじまったことではありません。大手出版社は既にデジタルに力を入れ、ライセンス、ゲームなどの総合的なコンテンツビジネスを展開しています。

 ジャンプが100万部を割るというニュースは、最盛期を体感した者として残念ですが、それだけのことです。マンガアプリで読むのが普通で、本誌以外でも多くのヒット作品があります。紙の雑誌が減少しても、代わりの収益基盤があるならば、ビジネスとして何の問題もありません。

 ポイントは、「ジャンプ」という最強のブランドを持っていたはずの集英社が、紙にこだわらない事業を展開し、今の地位を築いたことです。さらにマンガとは違うビジネスで海外に社員を送り込んでいます。メインのビジネスが元気なうちに、リスクを恐れず新規事業に取り組み、成功させた点にこそ注目するべきで、停滞する他企業の「お手本」になる話ではないでしょうか。

 ただし、世界でコンテンツビジネスを展開するということは、より激しい競争に巻き込まれることを意味します。同時に「週刊少年ジャンプ」という強力なブランドを、今後どう位置付けていくのかも問われそうです。