TBS日曜劇場「VIVANT」シーズン2にまつわる二つの数字が注目されています。7月26日放送の初回世帯視聴率は18.8%と好発進を切りましたが、8月9日放送分では15.1%となりました。一方、TVerの再生数は初回分が8日間で887万回に到達し単一エピソードの歴代最高記録を更新、その他のアナザーストーリー的な関連動画も回を追うごとに話題になっています。二つの“ものさし”が交錯する中、SNSでは考察と伏線議論が加熱を続け「伏線を全部覚えていないと置いていかれる」という"考察疲れ"の声も広がっています。
圧倒的な情報量が凄まじいスピードで盛り込まれていく。その結果、伸びるのがTVerなどの見逃し配信です。
ただ「見逃し」の意味が「VIVANT」に関しては変わっているように思います。番組自体を見逃したわけではないが、見逃した伏線を探す。“復習配信”を前提にした作りになっているため、自ずとTVerの数字が上がる。ラジオ番組がリアルタイム放送による広告収入のみならず、番組をYouTubeにアップして再生収入も予算に組み込む形を取りつつあるように、今は「一粒で何度美味しいか」がカギになっています。そうなると、一回の視聴では追いつけない速度と濃度が生まれることにもなります。
ただ、そうなると、理解するための労力や身構えが必要になります。ゴロッとしてせんべいでもかじりながら見るのではなく、目を皿のようにして見なければならない。配信の数字を上げることは今のテレビにおいて極めて重要な要素です。ただ、それは"視聴疲れ"の温床にもなります。
あらゆる価値観が入り乱れる過渡期に今のテレビはあります。整備中の道を「VIVANT」という大作がどう進むのか。逆に言うと「VIVANT」が進むところに新たな道ができていくのかもしれません。