KDDI傘下のmenuがフードデリバリー事業から撤退し、市場はUber Eats、出前館、ロケットナウを中心とした「3強」の競争へ向かう。
ただ、その裏でもう一つの動きが進んでいる。マクドナルドやガストなど大手外食チェーンによる、自社アプリや自社サイトを起点としたデリバリーの強化だ。外部サービスを利用しながらも、注文や顧客データ、ポイントなどは自社で持ち、顧客との関係をプラットフォーム任せにしない動きが広がっている。
競争の背景と、大手外食チェーンが「自社経済圏」を強化する理由を見ていきたい。
マクドナルドは公式アプリで「マックデリバリー」も利用できる。すかいらーくも、自社の宅配サイトを持ち、公式アプリと共通の会員基盤で注文を受け付けている。さらに、宅配の空白地などに持ち帰り・宅配特化店を展開する計画だ。
モスバーガーやCoCo壱番屋も一部店舗で自社宅配を展開。スターバックスは配送を外部サービスに頼る一方、公式アプリや決済、ポイントを通じて顧客との接点を自社で持つ。
背景には、外部プラットフォームの手数料負担と、顧客データを自社で持てない課題がある。自社アプリやサイトで注文を受ければ、デリバリー、テイクアウト、店内利用を同じ顧客として把握できる。利用履歴をもとにクーポンやポイントを付与し、来店や再注文につなげられることも大きい。
もちろん、人手不足や配送効率の問題もあり、外部サービスとの併用は続くだろう。ただ、マクドナルドやガストのような知名度の高いブランドは強い集客力を持つ。自社アプリへの注文が増えれば、プラットフォーマーは有力ブランドの注文を自社経済圏に奪われることになる。
つまり競争は、3強だけで完結しない。3強時代の裏で、外食企業も自社アプリを軸に、デリバリーの主導権を握ろうとしている。