手足口病の流行が続いています。東京都が7月2日に2年ぶりの警報基準超えを発表時(6.30人)よりも多く、流行マップは島しょを除く都内全域が濃い色に染まっています。
手足口病の多くは自宅で治りますが、点滴や入院が必要になる子もいます。ところが人口約70万人の江戸川区には、夜間や休日に子どもの入院を受け入れる都の指定病院が1つもありません。海外の研究でも、子どもの病床は成人よりもずっと速く失われていました。
ニュースは「かかりつけ医に相談を」で終わりがちですが、小児科医が気にするのはその先です。夏かぜでも、口の痛みで飲めず脱水となり、入院が必要な子はいます。まれに髄膜炎などを合併します。
東京都の令和8年度「休日・全夜間診療事業」一覧を小児科で集計すると52施設ですが、江戸川区の病院は含まれません。台東・目黒・中野・荒川・江戸川の5区が同じ状況で、7区は1施設のみです。区内唯一の小児病棟と案内されている東京臨海病院も、現在は小児の入院と夜間休日救急を停止しており、入院が必要なら区外に受け入れ先を探すことになります。
米国の研究では、2008~22年に小児の入院部門が29.9%、小児病床が19.5%減少しました。成人ではそれぞれ4.4%、3.0%でした。研究者らは、成人病床の方が収益を生みやすいことや、小児医療の人員不足などを背景として挙げています。
医療費助成で受診しやすくしても、入院病床や小児科医が自動的に増えるわけではありません。住民側と医療提供側への支援が釣り合っているかを検証し、地域を越えた受け入れ体制と費用負担を設計する必要があります。親御さんとしては、都の一覧で夜間入院できる病院を確かめておきましょう。