スシローとはま寿司が好調を維持する一方、くら寿司は2026年10月期第3四半期累計で経常利益が前年同期比38%減、直近5~7月期では79%減となった。しかも、直近の「ちいかわ」コラボをめぐる混乱の影響が本格的に表れるのはこれからだ。
同じ回転寿司でも、110円を主力価格として残すはま寿司、100円均一から離れたスシロー、価格体系を見直すくら寿司では戦い方が大きく異なる。なぜ3社でここまで差がついたのか。
はま寿司の強みは、税込110円の商品を主力価格として維持できる価格競争力だ。背景には調達から製造、物流、店舗までを一貫管理するゼンショーのMMDがある。低価格を維持しながら客単価を上げ、4~8月の既存店売上は前年同期比8.3%増と好調だ。
対照的なのがスシローだ。100円均一から価格体系を変え、商品力や品質を高めながら客単価を引き上げてきた。それでも客離れを起こしていない。2026年9月期上期は既存店客単価が5.8%増、客数も2.9%増加した。「多少高くても食べたい」と思わせる商品やフェアで売上を伸ばしている。
難しい立場にいるのがくら寿司だ。9月には最低価格を115円から110円へ引き下げる一方、サーモンなど33品目は値上げした。IPコラボは強力な集客策だが、それを日常的な来店につなげられるかは別の課題だ。加えて販管費の増加も利益を圧迫している。
ただ、米国では店舗網を拡大しながら売上を伸ばしている。国内でも価格改定を機に客数を戻し、IPや価格だけではない商品価値を再構築できるか。そこが復活へのポイントになる。回転寿司3強の競争は、「安さ」だけでは勝てない時代に入っている。